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引越し時の電気手続き

電気の引越し手続きは、ガスや水道に比べると最も手軽です。立会いは原則不要で、スマートメーター設置物件なら受付時間内のWeb申込で当日中に通電できる会社もあります。1〜2週間前までに旧居の使用停止と新居の使用開始を電力会社に伝えれば、当日はブレーカーを上げるだけで完了します。

一方で、引越しに伴う解約は多くの会社で解約金がかからないため、電力会社の見直しタイミングとしても適しています(解約金の有無は現契約の条件次第)。2016年4月の電力小売全面自由化以降、地域大手(東京電力・関西電力など)から新電力(CDエナジー・Looopでんき・東京ガスの電気など)への切替で、月額1,000〜3,000円・年間1.2万〜3.6万円の節約事例があります。

この記事では、手続き全体の流れと申込のタイミング、エリア別の大手電力会社一覧に加えて、「引越し当日でも電気は開通できるのか」という当日・即日開通の条件を電力会社ごとの運用まで掘り下げて整理します。当日のチェックリスト、申込前に揃える情報の一覧、オール電化物件の特殊事情もあわせて確認してください。

1〜2週間前
申込目安
繁忙期は早めに
不要
立ち合い
スマートメーターも遠隔
当日OK
使用開始
ブレーカーで通電
0円
手続き手数料
無料

電気の引越し手続きの全体像(フロー図)

電気の手続きは「旧居の使用停止」と「新居の使用開始」の2本立てです。同じ電力会社を使い続けるなら1回の申込で両方を手配でき、会社を変える場合も切替先への申込1本でほぼ完結します。申込から請求までの流れを最初に図で押さえておくと、個別の手順で迷いません。

引越しの電気手続きフロー図 1〜2週間前まで 使用停止・使用開始を申込 旧居の停止と新居の開始をWeb・電話で手配 退去日(旧居) ブレーカーを「切」にして退去 立会いは不要。停止日までの料金は日割り精算 入居日(新居) ブレーカーを上げて通電確認 スマートメーターは遠隔開通。 申込済みなら当日から使える 引越し後 最終請求・初回請求を確認 旧居は退去日までの日割り、 新居は使用開始日から計算
引越しの電気手続き4ステップ(申込→退去→入居→請求)

どの申込が必要かは、引越し先で同じ電力会社を使うかどうかで決まります。自分がどのパターンに当てはまるかを最初に確認しておくと、申込先を迷いません。

パターン手続きの進め方
同じ会社を継続 引越し先が同じ供給エリア内なら、現在の契約先に「住所変更(移転)」を申し込む。お客さま番号が手元にあると手続きが早い
解約して別会社へ 引越し先で契約したい会社に「使用開始」を申し込む。旧居側の解約連絡は切替先の会社経由で処理される場合が多く、その場合は自分から旧契約先へ連絡する必要はない
新規で契約する 初めて電気を契約する場合は、希望する会社に使用開始を申込。供給エリア・料金プラン・支払方法を選ぶ
大手から新電力へ乗り換え 新電力のWebサイトから申し込むだけ。切替反映に2週間〜1ヶ月かかることがあるため、間に合わない場合は当日は地域大手で開通し、落ち着いてから切り替える方法もある

電気の使用停止(引越し元)

連絡先 現在契約中の電力会社(公式サイトまたは電話)
申込期限 引越しの1〜2週間前まで(3〜4月の繁忙期は早めに)
必要な情報 契約者名義、お客さま番号(検針票に記載)、使用停止日、引越し先住所
立ち合い 不要(退去時にブレーカーを落とす)
料金精算 使用停止日までの料金が日割りで精算される

使用停止の申込で軸になるのがお客さま番号です。検針票(電気ご使用量のお知らせ)や請求書に記載されているほか、Web会員ページでも確認できます。手元に見当たらない場合でも、契約住所と名義が分かれば電話で本人確認のうえ手続きできるため、番号が不明でも申込は進められます。

停止日は退去日(退去立会いの日)に合わせるのが基本です。退去日の掃除で掃除機や照明を使うことを考えると、停止日を前倒しし過ぎないよう注意してください。当日は分電盤のメインブレーカーを「切」にして退去すれば完了し、係員の訪問や立会いは発生しません。精算は停止日までの日割りで、クレジットカード・口座振替ならそのまま自動精算、払込票払いの場合は新住所へ最終請求書が届きます(郵便の転送手続きを済ませておくと確実です)。

電気の使用開始(引越し先)

連絡先 引越し先の電力会社(公式サイトまたは電話)
申込期限 引越しの1〜2週間前まで
必要な情報 契約者名義、引越し先住所、使用開始日、支払方法
立ち合い 不要(ブレーカーを上げて通電確認)

使用開始の申込はWebと電話のどちらでも可能です。Webは多くの会社で引越しの30日前から24時間受け付けており、繁忙期の電話待ちを避けられます。電話は受付時間の制約がある一方、開始日の相談や建物の契約形態といった個別事情をその場で確認できる点が強みです。

使用開始日は入居日と同じ日で問題ありません。ただし入居前に掃除・家具の搬入・冷蔵庫の設置をする予定があるなら、前日か数日前を開始日に設定しておくと、作業当日に「電気がつかない」と慌てずに済みます。

スマートメーターの場合

スマートメーターが設置されている物件では、開通・停止の作業が遠隔で行われます。申し込みが完了していれば、引越し当日にブレーカーを上げるだけで通電します。スマートメーターへの置き換えは2024年度末までに全国で原則完了しており(一部に従来型メーターの残存あり)、現在のほぼ全ての物件で立ち合い不要です。

引越しの電気手続きタイムライン

申込のタイミングを誤ると、引越し当日に通電しない・新居でブレーカーが入らないといったトラブルにつながります。下記の時系列で進めると確実です。

引越し1ヶ月前

新居の確定後、まず現契約の電力会社(検針票で確認)と新居の供給エリア(後述「エリア別供給電力会社」参照)を把握。新電力への乗り換えを検討する場合は、複数社の料金プランを比較するのに2〜3週間かかるため、この段階で見積もり開始が理想です。

引越し1〜2週間前

電力会社のWebまたは電話で、旧居の使用停止日と新居の使用開始日を申し込みます。同じ電力会社で継続契約の場合は1回の申込で両方手配可能。新電力に切り替える場合は、切替先に申込めば旧契約の解約手続きもあわせて進むため、旧電力会社へ自分から連絡する必要は原則ありません。

引越し当日

旧居:退去時に分電盤のメインブレーカーを「切」にして退去。新居:分電盤の各ブレーカー(メイン→個別の順)を上げると通電します。Web申込済みであれば即時利用可能。スマートメーター設置物件は遠隔で開通操作されるため、ブレーカーが入っていればそのまま使用できます。

引越し後1週間以内

旧住所に届いた最終請求書(コンビニ払込票 or クレジットカード自動引落)の支払い処理。新居の請求書には「契約アンペア」「契約プラン」が記載されているので、家族構成や使用機器に対して過大・過小でないか確認してください。

引越し当日でも電気は開通できる?(即日開通の条件)

「今日引越して、今日から電気を使いたい」というケースは、条件が揃えば対応できます。分かれ目になるのはメーターの種類(スマートメーターか従来型か)、申込のタイミングと方法、そして電力会社ごとの運用の3点です。順に整理します。

スマートメーター物件:当日開通できるケースが多い

スマートメーター設置済みの物件では開通操作が遠隔で行われるため、作業員の訪問を待つ必要がありません。当日の受付時間内に申込が完了すれば、数時間で開通できるケースがあります。東京電力エリアでは月〜土の16時までの申込で当日中に開通できる場合があり、所要は3〜4時間程度。関西電力・中部電力なども、スマートメーター設置済みならWeb申込で最短当日〜翌日の開通に対応しています。

ただし「スマートメーター設置済み=無条件で即日」ではありません。受付時間を過ぎた申込は翌営業日の処理になり、契約情報の確認に時間がかかる場合も翌日以降にずれます。当日中の通電がどうしても必要なら、Web申込だけで完結させず、電話で「今日中に使いたい」と伝えて可否を確認するのが確実です。

従来型(アナログ)メーター物件:通電しても正式開通は後日

従来型メーターの物件では、ブレーカーを上げれば物理的に通電することが多く、「当日から電気がつく」こと自体は珍しくありません。ただしこれは正式な開通ではなく、契約手続きとしては申込後に電力会社側の処理(場合によっては作業員の訪問)を経て完了します。築年数の古いアパートや地方の戸建てでは従来型メーターが残っていることがあるため、内見や鍵の受け渡しの際にメーターの種類を確認しておくと当日の見通しが立てやすくなります。見分け方は、円盤が回転しているものが従来型、液晶のデジタル表示がスマートメーターです。

Web申込と電話申込の違い・土日祝の扱い

Web申込は24時間受け付けていますが、開通処理そのものは各社の営業時間内に行われます。深夜にWebで申し込んでも処理は翌営業日の朝からになるため、「申込した時刻」ではなく「処理される時刻」で当日開通の可否が決まる点に注意してください。電話申込は受付時間の制約がある一方、オペレーターに緊急性を直接伝えられるため、当日開通の相談には向いています。

土日祝は会社によって対応が分かれます。東京電力は月〜土が受付日で日曜・祝日は翌営業日扱い、九州電力はLINE受付が土日祝も稼働しているなど運用がまちまちです。日曜・祝日に引越す場合は、前日までに開通を済ませておく段取りが安全でしょう。

大手10社の当日開通対応の目安

地域大手10社の当日開通の対応状況を一覧にしました。各社の申込窓口・受付時間・引越し手続きの詳細は電力会社別の引越し手続き一覧から確認できます。

電力会社 当日開通 条件・補足
北海道電力 原則翌日以降 Web申込の場合は3営業日前までの申込が必要。電話で急ぎの旨を伝えれば最短翌日〜2営業日で対応可能な場合あり。
東北電力 対応あり スマートメーター設置済みの場合は遠隔操作で当日〜翌日の開通が可能。従来型メーターは作業員訪問が必要。
東京電力 対応あり スマートメーター設置済みの場合、月〜土16時までの申込で当日中に開通できるケースがあります(所要3〜4時間程度)。日曜・祝日は翌営業日扱い。
中部電力 対応あり スマートメーター設置済みの場合は、Web申込で最短当日〜翌日の開通が可能。従来型メーターは作業員訪問が必要(2〜3営業日)。
北陸電力 対応あり スマートメーター設置済みの場合は遠隔操作で当日〜翌日の開通が可能。従来型メーターは作業員訪問が必要。
関西電力 対応あり スマートメーター設置済みの場合、Web申込で最短当日〜翌日に開通可能。従来型メーターの場合は作業員の訪問が必要(通常2〜3営業日)。
中国電力 対応あり スマートメーター設置済みの場合は遠隔操作で当日〜翌日の開通が可能。従来型メーターは作業員訪問が必要。
四国電力 対応あり スマートメーター設置済みの場合は遠隔操作で当日〜翌日の開通が可能。従来型メーターは作業員訪問が必要。
九州電力 対応あり スマートメーター設置済みの場合は遠隔操作で当日〜翌日の開通が可能。従来型メーターは作業員訪問が必要。
沖縄電力 対応あり スマートメーター設置済みの場合は遠隔操作で当日〜翌日の開通が可能。沖縄は離島地域があるため、地域によっては日数がかかる場合あり。

※当日開通の可否は申込時刻・メーター種別・地域事情によって変わります。確実に当日通電が必要な場合は、申込前に各社の電話窓口で確認してください。

無契約のまま通電した場合のリスクと正式化の手順

申込を忘れたままブレーカーを上げて電気がついた場合、それは「契約のない通電」です。前住人向けの供給が残っているか、電力会社が引越しシーズンの利便のために通電状態を維持しているだけで、正式な契約に基づく供給ではありません。

無契約のまま使い続けると、①遠隔操作で突然供給を止められる(スマートメーターは遠隔停止が容易)、②後日、使用実態のあった日まで遡って料金を請求される、③前住人の契約が生きている場合は他人名義の電気を使う形になり精算トラブルの原因になる、という3つのリスクがあります。

正式な契約への切り替えは難しくありません。その日のうちに電力会社のWebサイトか電話で使用開始を申し込み、使用開始日には実際に入居した日(電気を使い始めた日)を申告します。多くの会社で開始日を遡って設定でき、入居日からの日割りで請求されるため、検針票が手元になくても新居の住所と契約者名で申込を進められます。

引越しの準備が立て込んで申込を忘れていた、当日になっても電気がつかない、どの会社に連絡すべきか分からない。そんなときは、新居のライフライン開通をまとめて相談できる下記の窓口も利用できます。電気だけでなくガス・水道・インターネットの開通もあわせて手配可能です。

引越し当日の電気チェックリスト

当日は荷物の搬出入で慌ただしくなります。電気まわりでやることを旧居・新居の順にチェックリスト化しておくと、抜け漏れなく進められます。

  • 旧居:使用停止の申込が済んでいるか出発前に最終確認する
  • 旧居:退去時に分電盤のメインブレーカーを「切」にする
  • 新居:分電盤の場所を確認する(玄関上・洗面所・キッチン上が一般的)
  • 新居:アンペアブレーカー→漏電ブレーカー→各部屋の安全ブレーカーの順に「入」にする
  • 新居:主要な照明とコンセントの通電を確認する
  • 冷蔵庫は設置後1時間ほど置いてから電源を入れる(運搬時の冷媒の偏り対策)
  • エアコンを試運転して動作を確認する
  • 使用開始の申込が未了だと気づいたら、その場でWeb申込する

申込前チェック表:手元に揃えておく情報

電力会社への申込はWeb・電話どちらでも可能ですが、途中で情報を探し始めると入力が中断してしまいます。申込前に下記を揃えておくと、5〜10分で手続きが終わります。

確認する情報 どこで確認できるか
契約者名義 旧居・新居とも、原則として実際に住む人と同じ名義にする
お客さま番号 検針票(電気ご使用量のお知らせ)や請求書の上部に記載。Web会員ページでも確認できる
供給地点特定番号(22桁) 検針票の下部に記載。不明でも住所・名義で特定できるため、申込自体は進められる
旧居の使用停止日 退去日(退去立会いの日)に合わせるのが基本
新居の使用開始日 入居日と同日でよい。入居前に掃除や搬入をするなら前日以前に設定
新居の住所 建物名・部屋番号まで正確に。番地の誤りは開通遅れの原因になる
支払い方法 クレジットカード番号または口座情報。口座振替は書面手続きになる会社もある

引越しを機に電力会社を見直すなら

2016年4月の電力小売全面自由化により、家庭でも電力会社を自由に選べるようになりました。引越しに伴う解約は多くの会社で解約金がかからないため切替の好機で、地域大手から新電力に乗り換えるだけで月額1,000〜3,000円・年間1.2万〜3.6万円の節約事例があります。

新電力には系統別にいくつかの選択肢があります。ガス会社系(東京ガスの電気・大阪ガスの電気・東邦ガスファミリープラン)はガスとのセット割が強み。通信会社系(ソフトバンクでんき・auでんき・楽天でんき)はポイント還元と一括請求がメリット。再エネ特化系(Looopでんき・自然電力)は環境価値を重視する世帯向け。エネ業界系(CDエナジーダイレクト・エネチェンジ)は料金プランの種類が多く、生活パターンに合わせて選びやすいタイプです。

どの会社を選ぶかという本格的な料金比較・切替先の選び方は、電力会社の比較ガイドで世帯タイプ別に掘り下げています。本ページでは手続きの段取りに関わる範囲として、切替時の確認事項とセット割の考え方だけ押さえておきます。

新電力切替で確認しておくべき4項目

新電力には「市場連動型プラン」など電力市場価格高騰時に単価が上がるリスクのある契約もあります。契約期間内解約の違約金や、燃料費調整額の上限有無(地域大手は上限あり、新電力は上限なしのケースが多い)も会社ごとに差があるため、申込前に「契約期間」「違約金」「燃料費調整額の上限有無」「燃料費調整単価」の4点を必ず確認しておくと安心です。

電気とガス・通信をまとめるセット割

引越しは電気・ガス・ネット回線の契約が同時に動くため、セット割を組みやすいタイミングでもあります。ただしセット契約は解約時の条件が絡むので、割引額だけで決めず契約条件もあわせて確認してください。

組合せ主な事業者の例割引の目安
電気+都市ガス 東京電力EP・関西電力・東京ガス・大阪ガス・東邦ガス等 月額100〜500円程度
電気+光回線 auでんき+auひかり、ソフトバンクでんき+ソフトバンク光等 月額500〜1,000円程度(スマホ割と併用可)
電気+ポイント連携 楽天でんき等のポイント還元プラン 使用料に応じたポイント還元

セット契約は解約時のセット解除条件・違約金の有無を契約前に確認してください。片方だけ解約するとセット割引が消滅し、他方が割高になる場合があります。

引越しの電気手続きでつまずきやすいポイント

申込忘れで引越し当日に正式契約がない状態に

使用開始の申込を忘れて引越し当日になっても、スマートメーター設置物件ではブレーカーを上げれば一時的に通電するケースがあります(電力会社が裁量で供給する運用)。ただし前入居者の退去時に遠隔で供給停止されていると、申込が完了するまで電気がつかないこともあります。無契約状態には変わりないため、その日のうちにWeb申込または電話で使用開始を届け出てください。古い物件で従来型メーターの場合は、Webからの即日開通が間に合わず翌営業日まで待つこともあります。

旧居の使用停止を忘れて請求が続く

使用停止を忘れると、退去後も自分名義の契約が残り、基本料金や(ブレーカーの切り忘れがあれば)使用量の請求が続きます。気づいた時点で契約先に連絡し、停止日をいつに設定できるかを含めて確認してください。連絡が遅れるほど精算が複雑になるため、早く動くほど料金面でも有利です。

前住人の契約が残ったまま使ってしまう

退去時に使用停止の届出が漏れていると、前住人の名義で通電状態が続いているケースがあります。賃貸物件の鍵を受け取った時点で電力会社に「契約者は誰か」「いつ自分の名義に切り替わるか」を確認しておくと、料金トラブルや退去後の清算ミスを避けられます。マンション管理会社に切替状況を問い合わせるのも有効です。

契約アンペアが家族構成に合っていない

単身向けの30A契約のまま4人家族で入居すると、エアコン+電子レンジ+ドライヤーの同時使用でブレーカーが頻繁に落ちます。逆にファミリー物件(50〜60A)に単身入居だと基本料金が割高になります。引越しを機に契約アンペアを見直すと、月数百〜数千円の差が生まれます(東京電力の場合、30A:935円/月、40A:1,247円/月、50A:1,558円/月、60A:1,870円/月)。

賃貸と持ち家で異なる手続きポイント

電気の使用停止・開始の流れは賃貸も持ち家も基本的に同じですが、契約者と支払責任の所在に違いがあります。

項目 賃貸 持ち家
契約者 入居者本人(原則) 所有者本人
退去時の対応 使用停止+ブレーカー切のみ。立ち合い不要 売却の場合は仲介会社に契約解除を相談
契約アンペア変更 大家・管理会社の同意が必要なケースあり(特に20A→40A以上) 所有者の判断で自由に変更可
太陽光発電の権利 原則なし(屋根設備は所有者) FIT/FIP制度で売電可能(10kW未満は10年・10kW以上は20年買取)

なお、一部の集合住宅は建物全体で高圧一括受電契約を結んでおり、入居者が個別に電力会社を選べません。この場合の使用開始・停止の連絡先は管理会社または建物指定の事業者になります。賃貸契約書・重要事項説明書に契約形態の記載があるため、申込前に確認しておいてください。

世帯規模ごとの契約アンペアと料金プラン選び

電気の引越し手続きでは、世帯規模に応じて契約アンペアや料金プランを見直す価値があります。下表は単身からファミリー、シニア・在宅勤務、法人・SOHOまで5パターンの目安です。

世帯 推奨契約アンペア 料金プランの方向性 引越し時の確認項目
単身(ワンルーム/1K) 20〜30A 従量電灯B 30A・新電力の単身向け定額プラン 使用量が少ないので基本料金重視。月150kWh未満なら基本料金0円プランが有利
2人世帯(DINKS) 30〜40A 従量電灯B 40A・通信会社系セット割(au/SoftBank/楽天) 共働きで日中不在なら夜間割引プラン。在宅時間が長いと従量電灯が無難
ファミリー(3〜4人) 40〜60A ガス会社系セット割・容量別段階料金プラン エアコン・電子レンジ・ドライヤー同時使用に耐える容量。月400kWh超なら3段階料金の3段目(高単価帯)削減を意識
シニア・在宅勤務 30〜50A 地域大手の従量電灯+燃料費調整額上限ありプラン 市場連動型は燃料費高騰時に請求が跳ねるリスク。安定志向なら地域大手継続が安心
法人・SOHO 業務用50A〜100A以上 / 高圧契約 業務用電灯・低圧電力・高圧契約(500kW以上) 事務所引越しは「電気需給契約」変更届と工事手配が必要。契約者は法人代表者名義

繁忙期と通常期で変わる申込タイミング

引越しシーズン(3月中旬〜4月上旬)は電力会社のコールセンターやWeb申込が混み合います。電話のつながりやすさ、新電力での希望開通日の通り具合、関係書類の郵送スピードまでが通常期と差が出るため、引越し時期に合わせて動き出すタイミングを調整しておきます。

繁忙期(3月15日〜4月10日)の運用

電力会社のコールセンター応答待ち時間が平均10〜30分に伸びます。Web申込は引越し1ヶ月前から受け付ける会社が多いため、繁忙期に引越す場合は「引越し3〜4週間前にWeb申込完了」が安全。新電力の場合、繁忙期は当初希望日に開通できない事例があり、地域大手から新電力への切替手続きに2〜3週間かかるため、4月入居なら3月初旬までに申込みが推奨されます。

通常期(5月〜2月)の運用

電話応答もスムーズで、Web申込から最短で翌日開通できる電力会社もあります(スマートメーター設置物件のみ)。新電力との料金比較や切替手続きにも余裕を持てるため、引越しを機に電力会社を見直すなら通常期がおすすめです。引越し1〜2週間前の申込で十分間に合います。

引越しを機に電気代を見直したい場合

引越しは電力会社を切り替えやすいタイミングですが、実際にいくら安くなるかは世帯の使用量・地域・プランの組み合わせで大きく変わります。電気料金は基本料金と電力量料金に加えて、燃料費調整額や再エネ賦課金(2026年度は4.18円/kWh)が毎月上乗せされるため、単価表の見かけだけでは比較しきれません。市場連動型プランでは電力市場価格の高騰時に割高になる月もあります。

世帯別の実額比較・地域大手と新電力の料金差・プランの選び方は電力会社の比較・選び方ガイドで詳しく整理しています。本ページでは手続きを止めないことを優先し、切替を迷う場合は「まず現契約の継続で開通→落ち着いてから切替」の順番をおすすめします。切替時の解約金の有無は現契約の条件次第のため、契約中のマイページか検針票で確認してください。

引越しに伴う電気の最終請求・初回請求の読み方

引越し直後は「旧居の最終請求書」と「新居の初回請求書」が立て続けに届くため、二重支払いのように感じやすい時期です。それぞれの内訳を理解すると安心です。

旧居の最終請求書

退去日までの使用分が日割り計算されます。基本料金は「前回検針日〜退去日」の日数比率で按分(例: 30日中20日使用なら基本料金×20/30)。クレジットカード・口座振替の場合は通常通り自動引落、現金払いの場合はコンビニ払込票が新住所に転送されます(郵便転送届を出している前提)。

新居の初回請求書

使用開始日から最初の検針日までの料金。検針サイクルは月1回で、使用開始日が月の途中の場合は「使用開始日〜次の検針日」分が初回請求になります。Web会員登録すると検針票がペーパーレスになり、月次の使用量グラフ・前年同月比・契約プラン詳細を確認できます。

電力会社別の引越し連絡先

お住まいの地域の電力会社に、使用停止と使用開始をそれぞれ連絡してください。会社名のリンク先で、各社の引越し手続きの流れ・Web申込ページ・注意点を個別に解説しています。

電力会社 電話番号 受付時間
東京電力 0120-995-001 月〜土 9:00〜17:00
関西電力 0800-777-8810 9:00〜18:00(平日)
中部電力 0120-921-691 平日 9:00〜19:00、土日祝 9:00〜17:00
東北電力 0120-066-774 平日 9:00〜17:00(土日祝休)
九州電力 0120-639-458 月〜金 9:00〜17:00
北海道電力 0120-12-6565 月〜金 9:00〜17:00
北陸電力 0120-776-453 月〜金 9:00〜17:00
中国電力 0120-297-510 9:00〜20:00(平日)
四国電力 0120-459-123 月〜金 9:00〜17:00
沖縄電力 0120-586-390 月〜土 8:30〜17:00

エリア別の供給電力会社

日本の家庭用電気は地域ごとに10社の旧一般電気事業者(送配電網を運営)が決まっており、新電力に切り替えても物理的な配電網はこの大手が引き続き運営しています。引越し先のエリアを把握すると、料金プラン比較や緊急時連絡先がスムーズに分かります。

エリア 供給対象都道府県 地域大手
北海道エリア北海道北海道電力
東北エリア青森・岩手・宮城・秋田・山形・福島・新潟東北電力
関東エリア東京・神奈川・千葉・埼玉・茨城・栃木・群馬・山梨・静岡(富士川以東)東京電力
中部エリア愛知・岐阜・三重・長野・静岡(富士川以西)中部電力
北陸エリア富山・石川・福井北陸電力
関西エリア大阪・京都・兵庫・奈良・和歌山・滋賀・福井(一部)関西電力
中国エリア広島・岡山・山口・島根・鳥取中国電力
四国エリア香川・徳島・愛媛・高知四国電力
九州エリア福岡・佐賀・長崎・熊本・大分・宮崎・鹿児島九州電力
沖縄エリア沖縄沖縄電力

東日本と西日本では電気の周波数が異なります(静岡県の富士川と新潟県の糸魚川付近を境に、東側が50Hz・西側が60Hz)。現在販売されている家電のほとんどは両対応(ヘルツフリー)ですが、古い電子レンジ・洗濯機・タイマー内蔵機器には片方の周波数専用の製品があり、東西をまたぐ引越しでは買い替えが必要になる場合があります。取扱説明書か本体の銘板で対応周波数を確認してください。

オール電化住宅・契約アンペア変更を伴う引越し

新居がオール電化住宅(IHクッキングヒーター・エコキュート・蓄熱暖房等)の場合、ガスがない代わりに電気契約が複雑になります。

  • 契約アンペア — 一般家庭は30〜40Aですが、オール電化は50〜60A以上が標準。旧居から低い契約アンペアを引き継ぐと、夜間にエコキュート起動でブレーカーが落ちる原因になります。
  • 深夜電力プラン — 「夜トクプラン」「はぴeタイム」など、夜間帯(会社により22時または23時〜翌7時前後)の電気代が3〜5割安いプランが標準で組まれています。前住人の名義で契約済の場合は引越し時に再契約が必要なケースもあるため、入居案内書類で現プラン名を確認してください。
  • 太陽光発電・蓄電池併用 — FIT制度(再エネ固定価格買取)の余剰電力買取契約は所有者ベース。賃貸入居者は原則として買取権を持たないため、設備使用料の有無を賃貸契約書で確認しておきます。
新電力への切替を考えている人へ

引越しタイミングで新電力に切り替える場合は、新しい電力会社の使用開始申込だけで完結します。旧電力会社への停止連絡は切替先の会社を通じて処理されるため、旧会社へ自分から連絡する必要はありません。

引越し時の電気・ガス・水道 開通受付

引越し先の電気・ガス・水道の開通手続きをまとめてご相談いただけます。担当者より折り返しお電話にてご連絡いたします。

本フォームの対象範囲は、新居の電気・ガスの開通取次と、水道・インターネットの開始手続きのご案内です。旧居の停止・解約手続きは現在ご契約中の各事業者へ直接ご連絡ください。補助金の申請代行・申請相談は承っておりません。

  1. 1 ご相談内容
  2. 2 引越し情報
  3. 3 ご連絡先
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  • 相談料は発生しません
  • 折り返しは営業時間内(9:00〜21:00)
  • 個人情報を第三者へ提供しません

※ 担当者より折り返しお電話にてご連絡いたします。
※ 個別の役所手続きは、各自治体窓口へ直接ご連絡ください。

よくある質問

引越し当日に電気が使えないことはある?

使用開始の申し込みをしていれば、ブレーカーを上げるだけで使えます。申し込みを忘れた場合はブレーカーを上げれば一時的に通電するケースもありますが、遠隔で供給停止済みだと点かないこともあるため、速やかに電力会社に連絡してください。

引越しと同時に電力会社を変えられる?

可能です。引越し先で新しい電力会社に使用開始を申し込めば、旧居の停止手続きと合わせて切り替えが行われます。旧電力会社への解約連絡は切替先の電力会社を通じて処理されるのが一般的です。

スマートメーターの場合はどうなる?

スマートメーターが設置されている場合、開通・停止の作業は遠隔で行われます。立ち合いは不要で、申し込みが完了していればブレーカーを上げるだけで使えます。

電気の引越し手続きに立ち合いは必要?

電気の使用開始・使用停止とも、原則として立ち合いは不要です。ガスと異なり、自分でブレーカーを操作するだけで通電・停止できます。

使用開始の申込を忘れて引越し当日になった場合は?

ブレーカーを上げれば多くのケースで通電します(電力会社の判断で一時的に供給される運用)。ただし無契約状態のため、その日のうちにWeb申込か電話で使用開始を届け出てください。スマートメーター設置済みの物件なら、受付時間内の申込で当日中に正式開通できる会社が多くあります。

土日や祝日でも当日開通はできる?

Web申込は24時間受け付けていますが、開通処理は各社の営業時間内に行われます。東京電力は月〜土が受付日で日曜・祝日の申込は翌営業日扱い、九州電力はLINE受付が土日祝も稼働しているなど、会社ごとに運用が異なります。日曜・祝日に引越す場合は、前日までに開通を済ませておくのが安全です。

ブレーカーを上げても電気がつかないときは?

分電盤のアンペアブレーカー、漏電ブレーカー、各部屋の安全ブレーカーの順にすべて「入」になっているか確認してください。それでもつかない場合は、使用開始の申込が反映されているかをWeb会員ページで確認し、未手続きならその場でWeb申込します。解決しないときは契約先の電力会社の窓口に連絡してください。

旧居の電気の止め忘れに気づいたら?

退去後も自分名義の契約が残り、基本料金などの請求が続く可能性があります。気づいた時点で速やかに契約先へ連絡し、使用停止日を確定してください。連絡が遅れるほど精算が複雑になるため、できるだけ早い連絡が料金面でも有利です。

前の住人の契約が残っていることはある?

退去時に使用停止の届出が漏れていると、前住人の名義のまま電気が通電状態になっているケースがあります。賃貸物件の鍵を受け取った時点で「契約者は誰か」「いつ自分の名義に切り替わるか」を電力会社に確認すると、料金トラブルを避けられます。

電気の使用開始日は引越し当日と同じ日でいい?

引越し当日と同じ日でOKです。ただし入居前から冷蔵庫設置や掃除を行う場合は、前日や数日前に開始日を設定するのが安全。スマートメーター設置済みなら遠隔で開通操作されるため、ブレーカーが入っていればそのまま使用できます。

マンションのオール電化物件で注意する点は?

オール電化物件はガス給湯器がない代わりに電気容量が大きく(多くは50A〜60A以上)、契約アンペア変更を伴うことがあります。深夜電力プラン(オール電化向けプラン)が前住人の名義で契約されている場合、引越し時に再契約が必要なケースもあるため、入居案内書類で契約プラン名を確認してください。

引越しの請求書はどう精算される?

退去日までの使用分は退去日に検針され、最終請求書が発行されます(クレジットカード・口座振替で自動精算 or コンビニ払込票が新住所に郵送)。新居の電気使用分は使用開始日からの計算です。月の途中で開始・停止した場合は、日割り計算で基本料金が按分されます。

引越し先のエリアによって電力会社が違う?

エリアごとに地域大手電力会社(北海道電力・東北電力・東京電力・中部電力・北陸電力・関西電力・中国電力・四国電力・九州電力・沖縄電力)が決まっており、配電網はこの大手が運営しています。小売契約は2016年の電力小売自由化以降、新電力(CDエナジー・Looopでんき・東京ガス電気等)と自由に契約可能です。

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本ガイドの根拠と最終確認

本ガイドは以下の一次情報を基に編集しています。各URLは記載の日付時点で生存確認済です。電気事業法・小売自由化制度は改定が頻繁にあるため、申請前に最新公式情報をご確認ください。

  • 資源エネルギー庁「電力の小売全面自由化」(2026-05-03確認)— 小売電気事業者・契約切替の制度根拠
  • 各電力会社(旧一般電気事業者・新電力)の公式サイト「お引越しのお手続き」ページ — 当日開通の可否・受付時間の各社データを含む
  • 電力広域的運営推進機関(OCCTO)— スイッチング支援システムの管理機関