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引越し業者の選び方

引越し業者は「料金」「対応・評判」「希望日時」「サービス範囲」「損害補償」「実績・許認可」の6つの基準で比べると、価格だけに引っ張られない選び方ができます。本ガイドでは6基準の中身、大手・中堅・地域業者の使い分け、選んではいけない業者の見分け方、口コミの正しい読み方、トラブル時の相談先までを一気に整理しました。具体的な業者比較は 引越し業者一覧、見積もりの取り方の実践は 見積もりガイド をあわせてご覧ください。

業者を選ぶ6つの基準

最初に全体像です。どの世帯規模・距離でも、比較の物差しはこの6つに集約されます。

基準 何を見るか 確認手段
① 料金 総額と内訳の妥当性。基本料金だけでなくオプション・実費込みの合計で比較する。 3〜5社の相見積もり/費用シミュレーター
② 対応・評判 見積もり時の説明の丁寧さ、質問への回答の速さ、口コミの傾向。 電話・訪問時の対応/複数の口コミサイト
③ 希望日時 希望日に予約枠があるか、時間帯指定(午前・午後・フリー便)の柔軟性。 見積もり依頼時に候補日2〜3日で確認
④ サービス範囲 基本料金に含まれる作業(梱包・開梱・家具設置・養生)と資材支給の範囲。 見積書の作業範囲欄・支給資材欄
⑤ 損害補償 破損・紛失時の補償上限額・対象範囲・申請期限。約款の種類。 見積書・契約書の約款名と補償条項
⑥ 実績・許認可 一般貨物自動車運送事業の許可、営業年数・取扱件数、引越安心マークの有無。 許可番号の提示依頼/行政処分歴の検索(国交省)

①の料金は同じ条件でも業者間で2〜3倍の差がつくことがあり、相見積もりなしでは妥当性を判断できません。ただし料金だけで決めると、④サービス範囲が狭くて当日に追加請求が発生したり、⑤補償が薄くて破損時に泣き寝入りしたりと、安さの代償を後から払うことになりがちです。

②の対応・評判は「契約後の姿」を映す先行指標として使えます。見積もり段階で説明が雑な業者が、当日だけ丁寧になることはまずありません。③の希望日時は繁忙期ほど重みが増し、日程が固定されている転勤・入学の引越しでは、料金より先に「そもそも希望日に来てくれるか」で候補が絞られます。

⑥の実績・許認可は見落とされがちな基準ですが、悪質業者を入口で弾く効果が最も大きい項目です。引越しの運送を業として行うには国土交通省の許可(軽トラックは届出)が要るため、許可番号を確認するだけで無許可営業を避けられます。確認手順は後述の「選んではいけない業者の見分け方」で詳しく説明します。

失敗回避の5原則(実践チェック)

6基準を実際の見積もり・契約の場面に落とし込むと、次の5原則になります。

  1. 3〜5社から相見積もりを取る
    最安値と最高値で2〜3倍の差がつくこともあります。1社のみで決めると相場感が掴めず割高になりがちです。
  2. 同じ条件で見積もり依頼する
    引越し日・荷物量・距離・オプションを統一します。条件を変えると比較が成立しません。
  3. 口頭の約束は書面化する
    値引き・特典・支給品の数量はすべて見積書に記載してもらいます。当日のトラブル防止に直結します。
  4. 当日追加料金の発生条件を事前確認する
    階段作業・距離超過・特殊運搬で追加料金が発生する条件と上限を聞いておきます。
  5. 許認可・損害補償を確認する
    「一般貨物自動車運送事業」の許可番号と、損害補償の上限額・対象範囲を書面で確認します。

引越し業者はいつから探し始めるべきか

相見積もりと比較の時間を確保するため、引越し日のめどが立ったら早めに動くのが基本です。時期によって着手の目安が変わります。

時期 探し始める目安 理由
通常期(5〜2月) 2〜3週間前 予約枠に余裕があり、相見積もりで価格交渉を進めやすい。
繁忙期(3〜4月) 1〜2ヶ月前 予約枠が早期に埋まる。遅れると希望日に業者を確保できない。
連休・月末月初 3〜4週間前 需要が集中して料金が上がる。日程をずらせるなら平日の月中が割安。

賃貸の解約予告は1ヶ月前が一般的なため、退去日の確定と業者探しはほぼ同時に進めるのが現実的です。解約の流れは 退去手続きのガイド で確認できます。

大手・中堅・地域業者の特徴と「格安」の落とし穴

業者は大きく5タイプに分かれます。それぞれの強みに加えて、「安く使おうとしたときにハマりやすい落とし穴」も併記しました。どのタイプが劣るという話ではなく、条件との相性の問題です。

業者タイプ 代表例 強み 向いているケース 格安の落とし穴
大手(全国展開) サカイ / アート / 日通 全国ネットワーク・トラック数・スタッフ数が豊富。繁忙期予約・長距離移動・トラブル対応に強い。 長距離・全国移動。繁忙期予約。法人・大型家具・特殊運搬。 初回提示額は値引き前提で高めのことが多い。他社比較なしに「大幅値引き」を受けると、値引き後でも割高なまま契約しがち。
準大手(地域強化) アリさん / アーク / ハート 大手より柔軟、地域業者より安心。創業実績・取扱件数が豊富。 6大都市圏内・中距離。家族・単身どちらも対応。 基盤エリア外の長距離は提携・中継便になる場合があり、割安さと日程の確実性が薄れることがある。
地域中堅 プロロ / カルガモ 地域密着。柔軟な見積もり対応。中距離以下が得意。 関東・関西・北海道・九州内の地域内引越し。価格交渉余地あり。 長距離は混載・中継で日数がかかる場合がある。損害補償の上限や対象範囲が大手より狭いことがあるので契約前に確認。
協同組合系 ハトのマーク / 赤帽 個人業者の連合体。荷物が少ない単身・近距離で割安。 単身・少量荷物・近距離。コスト最優先。 作業員1名が基本で、大型家具の搬出入は依頼主の手伝いが前提のことがある。担当する組合員によって作業品質に幅が出やすい。
運送大手系 ヤマトホームコンビニエンス / 日通 全国の運送網を生かした規格BOX輸送(日通「単身パック」・ヤマト「わたしの引越」など)。Web完結・定額制が便利。 単身の規格BOX便・長距離の混載輸送。法人引越し・転勤。 規格BOXの容量を超えた分が追加BOX扱いになり、想定より割高になることがある。家具の分解・組立が対象外の場合も。

どのタイプに頼むかを決めるフローチャート

「荷物量」「距離」「時期」の3つを順に確認すると、最初に声をかけるべき業者タイプが決まります。

荷物は軽トラック1台程度? (単身・家具家電が少なめ) はい いいえ 移動は同一地方内? (近距離〜中距離) はい いいえ 協同組合系・地域中堅 少量・近距離で割安 規格BOX便(運送大手系) 規格BOXで長距離も定額 別の地方への長距離移動? はい いいえ 大手中心に相見積もり ネットワークと中継品質 時期は繁忙期? はい いいえ 大手+準大手で早期予約 1〜2ヶ月前に確保 準大手・地域中堅を含め 3〜5社を比較 競争が働き交渉余地が大きい

フローチャートはあくまで「最初に声をかける順番」です。どの分岐に進んでも、最終的には複数タイプを混ぜた3〜5社の相見積もりで決めるのが原則で、タイプの想定と実際の見積もり額が逆転することも珍しくありません。

世帯・距離・時期からの選び方マトリクス

本ページは特定の業者をおすすめしない方針のため、第一候補は業者タイプで示します。タイプの中でどの会社に声をかけるかは、対応エリアと得意分野で絞り込んでください。各社の具体的なサービス・特徴は 引越し業者13社の比較 で横並びに確認できます。

条件 第一候補(タイプ) 理由・補足
単身・近距離・通常期 協同組合系の軽貨物便 / 運送大手系の規格BOX便 少量・近距離に特化した構成で費用を抑えやすい。一括見積もりで地域中堅の最安値を狙うのも有効。
単身・長距離・通常期 運送大手系の規格BOX便(長距離対応タイプ) / 大手のWeb完結型プラン 規格BOXを混載輸送する便は長距離でも定額で安定。荷物が少なければWeb完結型で訪問見積もり不要。
家族・近距離・通常期 大手 + 準大手・地域中堅2〜3社の相見積もり 業者間の競争が最も働きやすい条件で、値引き交渉の余地が大きい。
家族・長距離・通常期 大手2〜3社 + 準大手1社の相見積もり 距離が長いほど大手のネットワーク優位。中継地での品質維持が鍵。
繁忙期(3〜4月) 大手2〜3社で早期予約 2ヶ月前から動かないと希望日が埋まる。早割が効くこともある。
法人・オフィス 大手の法人プラン サーバー・什器の梱包・産業廃棄物処理含むワンストップ対応。
海外引越し 海外プランを持つ大手 通関・現地配送・荷物の保険まで一括対応。

タイプで分けるのは、荷物量・距離・時期の3変数が、そのまま各タイプの得意領域に対応しているからです。荷物量は使う車両と便の「器」を決める変数で、軽トラック1台で収まる荷物なら個人事業主の連合体である協同組合系が最も身軽なコスト構造を持ち、規格BOXに収まる量なら運送大手系の混載輸送が割安になりやすいでしょう。距離は「自社のネットワークだけで運びきれるか」を分け、別の地方への長距離は中継拠点と幹線便を持つ大手が品質を保ちやすい領域といえます。

時期は予約枠の競争率を決める変数で、繁忙期は「どのタイプが安いか」より「どこなら希望日を確保できるか」が先に立ちます。逆に通常期の近距離・家族という条件は、どのタイプも対応できるため業者間の競争が最も働きます。この条件に当てはまる人は、タイプをまたいだ相見積もりの効果が一番大きいと考えてください。

選んではいけない業者の見分け方(8つのチェック)

引越しは「その場で品質を確かめられないサービス」のため、契約前のわずかな違和感が当日の大きなトラブルに化けます。次の8項目のうち1つでも当てはまる業者は、料金がどれだけ安くても候補から外すことを推奨します。

  1. 荷物量を確認せずに金額を確定させようとする
    家族規模の荷物なのに訪問もビデオ通話もなしで「この金額でやります」と即決を迫るのは危険信号です。荷物量の確認が雑なほど、当日「聞いていた量と違う」を理由にした追加請求の余地が生まれます。
  2. 契約前に前金・手付金を要求する
    国土交通省の標準引越運送約款では、事業者は見積もりの時点で対価を請求しない建て付けになっています。「予約金」「枠の確保料」などの名目で契約前の支払いを求める業者は、約款に沿わない運用をしている時点で信頼できません。
  3. 「定額」「コミコミ」をうたいながら追加条件が曖昧
    定額自体は正当なプランですが、「どこまでが定額に含まれるか」を書面で示せない業者は、当日に階段料金・横持ち料金などの名目で上乗せしてくるおそれがあります。定額の境界線を質問して、回答が濁る場合は避けます。
  4. 約款の説明・記載がない
    見積書・契約書には、標準引越運送約款か業者独自の約款か、どちらに基づくかが記載されるのが通常です。約款の話を出しても説明できない、見積書に約款名の記載がない業者は、キャンセル料や補償でもめたときの拠り所がありません。
  5. 相場から極端に乖離した激安見積もり
    他社の半額以下のような見積もりには、作業員数を削る・補償を付けない・当日に追加請求するなど、安さの理由がどこかに隠れています。理由を質問して合理的な説明(混載便・帰り便・平日フリー便など)が返ってくるなら正当な安さ、説明できないなら危険な安さです。
  6. 連絡・対応が悪い
    折り返しの電話が来ない、担当者によって言うことが変わる、質問への回答が雑。見積もり段階の対応品質は、当日の作業品質とトラブル時の対応をそのまま予告しています。
  7. 許可番号を出さない・答えられない
    引越しの運送には国土交通省の許可(一般貨物自動車運送事業)または届出(貨物軽自動車運送事業)が要ります。許可番号を尋ねて即答できない、Webサイトにも記載がない業者は、無許可営業の可能性を疑うべきです。
  8. 口コミが不自然(定型文の高評価・同時期の連投)
    同じ言い回しの5つ星レビューが短期間に集中している、低評価への返信が反論と言い訳ばかり、といったパターンは口コミの信頼性自体に問題があります。複数の口コミサイトを見比べて評価の傾向が食い違う場合も注意が必要です。

許可番号と行政処分歴を確認する手順

チェック7の許認可は、業者の自己申告を鵜呑みにせず自分で確かめられます。手順は次の3ステップです。

  1. 許可番号の記載・提示を確認する
    許可の有無そのものは、見積書・約款・Webサイトの会社概要にある「一般貨物自動車運送事業 ○○運輸局 許可」といった表記と許可番号で確認します。記載が見当たらない場合は担当者に許可番号の提示を求め、即答できなければ前述のチェック7に該当すると判断してください。屋号(ブランド名)と法人名が異なることが多いため、確認は法人名で行います。
  2. 国土交通省の「ネガティブ情報等検索サイト」で行政処分歴を調べる
    国土交通省が公開しているこの検索サイトは、自動車運送事業者に対する過去の行政処分歴の検索に特化したものです(許可の有無を調べる窓口ではない点に注意)。事業者名(法人名)で検索し、処分の有無と内容を見ます。処分歴が繰り返されている業者は、許可を持っていても避けるのが無難でしょう。
  3. 軽トラック主体の業者は「届出」の有無を確認する
    赤帽のような軽トラックでの運送は、許可制ではなく「貨物軽自動車運送事業」の届出制です。許可番号がないこと自体は問題ではなく、届出をしたうえで営業しているか(黒ナンバーの事業用車両か)が確認ポイントになります。

もう1つの客観的な目安が、全日本トラック協会の「引越事業者優良認定制度(引越安心マーク)」です。法令遵守や契約手続きの適正さなどの基準を満たした事業者が認定されており、協会サイトの認定事業者一覧から確認できます。

口コミ・評判の正しい見方

口コミは業者選びの有力な材料ですが、読み方を誤ると「たまたま不運だった1件」に振り回されます。見るべき点と割り引いて読む点を分けるのがコツです。

観点 理由
参考にする:当日の作業品質 養生の丁寧さ・搬出入の手際・スタッフの人数と練度は業者の実力そのもの。具体的な描写がある口コミほど信頼できる。
参考にする:破損時の対応 破損が起きたこと自体より「その後の補償手続きが速く誠実だったか」が業者の質を分ける。トラブル対応の口コミは最も価値が高い。
参考にする:時間厳守・遅延時の連絡 到着遅延そのものは交通事情でも起きるが、遅れる際に連絡があったかどうかは業者の管理体制を映す。
割り引く:営業担当個人への好悪 「担当者が感じ悪かった」は個人と相性の問題で、自分の引越しで同じ担当に当たるとは限らない。
割り引く:繁忙期の一時的な遅延 3〜4月の遅延・慌ただしさは業界全体の構造要因。繁忙期の低評価だけで通常期の品質は判断できない。

読み方の実践としては、星の平均点よりも「低評価レビューの中身」から先に読むのが効率的です。低評価の理由が作業品質・補償対応に集中しているなら要警戒、日程や料金の行き違いなど自衛できる内容が中心なら、契約時の確認で回避できます。投稿時期が古い口コミは体制が変わっている可能性があるため、直近1〜2年のものを優先します。

また、自分と近い条件(単身か家族か、近距離か長距離か、通常期か繁忙期か)の口コミを探すことも重要です。単身向けプランの高評価が多い業者でも、家族の長距離引越しの評価は別物と考えたほうが安全です。1つのサイトだけで判断せず、口コミサイト・地図サービス・SNSなど複数のソースで傾向が一致するかを確かめてください。

訪問見積もりは営業担当を見極める場でもある

ネットの口コミが「過去の他人の体験」だとすれば、訪問見積もりは「これから自分を担当する会社」を直接観察できる機会です。見るポイントは3つあります。1つ目は説明の具体性で、荷物を実際に見てトラックのサイズや作業員数の根拠を説明できるか。2つ目はデメリットの開示で、自社が苦手な条件(長距離・特殊搬入など)や追加料金の可能性を先回りして伝えてくれるか。3つ目は即決を迫らないことです。「今日契約すれば」の値引き自体は営業手法として一般的ですが、考える時間を与えず契約書を出してくる担当は、その後のやり取りでも同じ姿勢が続くと考えたほうがよいでしょう。

複数社の訪問見積もりを受けると、同じ荷物を見ているのに提案が業者ごとに違うことに気づくはずです。この違いこそが比較材料で、たとえばトラックの台数や往復回数の設計、作業員数の見立ては、料金の差の理由をそのまま説明してくれます。数字の根拠を語れる担当がいる業者は、当日の段取りも狂いにくい傾向があります。

相見積もりの進め方と電話ラッシュ対策

候補のタイプが決まったら、大手1〜2社・中堅1〜2社を含む3〜5社に同じ条件(引越し日の候補・荷物量・距離・オプション)で見積もりを依頼します。一括見積もりサイトは一度の入力で複数社を比較できて便利な半面、送信直後から各社の営業電話が集中するのが最大の弱点です。申し込みは電話に応対できる時間帯を選ぶ、連絡希望をメール・SMS中心と備考欄に書く、決めたら他社へ早めに断りを入れる、の3点で負担をかなり減らせます。

届いた見積書は金額の高低だけでなく、内訳のばらつきを見比べると各社の誠実さが分かります。同じ条件を伝えたはずなのに、作業員数・トラックサイズ・段ボールの支給数・作業時間の見立てが業者によって違うのが普通で、この差が金額差の正体です。安い見積もりの内訳が他社より作業員1名少ないなら、その分は当日の作業時間や自分の負担に跳ね返る、という読み方ができます。

見積もりの取り方6種類の比較、訪問見積もり当日の流れ、営業電話を最小限にする具体的な手順は 見積もりの取り方ガイド にまとめています。キャンセル料の規定(標準引越運送約款では3日前まで無料)も同ガイドで確認できます。

料金の妥当性はどう確かめるか

引越し料金は荷物量・距離・時期の3要素で決まり、同じ条件でも業者によって2〜3倍の差がつきます。見積もり額が妥当かは、世帯規模別・距離別の相場と突き合わせるのが確実です。相場の実額データは 引越し費用の相場ガイド に、条件を入れた概算は 費用シミュレーター にまとめています。相場より極端に安い見積もりは、前述の8チェックの5番目(危険な安さ)に該当しないか、内訳まで見てから判断してください。

見積もり額を下げる具体策(時期・曜日の調整、フリー便、荷物の削減、プラン変更など)は 引越しを安くする方法ガイド で扱っています。値引き交渉の現実的な期待値は通常期で10〜20%、繁忙期で5〜10%程度です。

契約前のチェックリスト(書面で確認)

書面で残す7項目
  1. 基本料金に含まれる作業範囲(梱包・開梱・家具設置・養生)
  2. 段ボール・ガムテープ・緩衝材・布団袋の支給数量と超過時単価
  3. エアコン取付・洗濯機設置・ピアノ運搬等のオプション料金
  4. キャンセル料の発生タイミングと金額(標準引越運送約款準拠か確認)
  5. 当日の追加料金が発生する条件(階段作業・距離超過・時間延長)
  6. 損害補償の上限額・対象範囲・申請期限
  7. 支払いタイミングと支払い方法(当日現金 or カード or 後日請求)

トラブル事例とその対策

トラブル 原因 対策
当日に追加料金請求 見積もり時の条件説明不足、追加作業の発生 見積書に追加料金発生条件を明記。事前合意のない当日請求は、その場で支払わず約款と見積書を確認する。
家具・家電の破損 梱包・運搬時の不注意、養生不足 標準引越運送約款の損害補償範囲(運送業者責任分)を確認。引越し前後の写真を撮影しておく。
到着遅延 長距離・繁忙期の交通事情、トラック故障 余裕を持った日程設定。遅延時のホテル代・食費補償の有無を契約時に確認。
キャンセル料トラブル 標準引越運送約款の理解不足 標準約款では3日前まで無料、前々日20%・前日30%・当日50%以内が上限。日程変更(延期)も同じ扱い。独自約款の業者は規定を契約前に確認。
追加スタッフ要請の高額請求 事前見積もりと現場の人員見積もりに差 標準スタッフ数を見積書に明記。追加スタッフの単価も事前合意しておく。

トラブルになったときの相談先

業者と直接交渉しても解決しない場合は、1人で抱え込まずに公的な窓口を使ってください。相談先は無料で、交渉の進め方の助言や業者への仲介をしてもらえます。

相談先 使いどころ
消費者ホットライン(188) 局番なしの「188」で最寄りの消費生活センターに繋がる。追加請求・キャンセル料・補償の拒否など、契約全般のトラブルの最初の相談窓口。
国民生活センター 引越しトラブルの相談事例・注意喚起を公開しており、自分のケースと似た事例の解決の道筋を調べられる。
全日本トラック協会・各都道府県トラック協会 引越運送を含む貨物運送の業界団体。会員事業者との輸送トラブルの相談を受け付けている。
引越安心マーク(引越事業者優良認定制度) 認定事業者は苦情対応体制の整備が認定基準に含まれる。認定事業者とのトラブルは制度の窓口経由でも改善を促せる。

相談の際は、見積書・契約書・業者とのやり取り(メール・録音・メモ)・破損箇所の写真を手元に揃えておくと話が早く進みます。書面化の原則(5原則の3番目)は、この場面で効いてきます。

よくある質問

大手と中堅・地域業者、どちらを選ぶべき?

判断軸は3つです。①長距離・全国移動・繁忙期の確実性を重視するなら全国展開の大手。全国ネットワーク・拠点数・トラブル時の対応力で安心感が高い。②同一市区町村内・近距離で費用最優先なら地域中堅・協同組合系の軽貨物便が割安なケースが多い。③属性別パック(学生・女性・シニア)や独自オプションを使いたいなら、それぞれの強みに合った業者を選ぶ。最終判断は3〜5社の見積もり比較で決めるのが確実です。

一括見積もりサイトは使うべき?

一度の入力で複数社から見積もりが届くため、相場感を素早く掴むには有効です。ただし送信直後から複数社の電話営業が集中するため、申し込み前に応対できる時間帯を確保してください。匿名・概算見積もりに対応するサイトもあります。一括見積もりサイトと、気になる1〜2社への直接申込みを組み合わせると、無駄な電話を減らしつつ条件比較ができます。

見積もりは何社から取るべき?

3〜5社が目安です。3社以下では相場感が掴めず、5社を超えると比較・対応が煩雑になります。実際に依頼すると、最安値と最高値で2〜3倍の差がつくことも珍しくありません。最低でも大手1社・中堅1〜2社を含めると、価格・サービスの幅を把握しやすくなります。

繁忙期(3〜4月)の業者はどう選ぶ?

繁忙期は業者の予約枠が早期に埋まるため、希望日が決まったら即見積もり依頼するのが鉄則です。大手は予約枠とトラックが多く繁忙期でも対応しやすい一方、料金は通常期の1.5〜2倍まで上がる点に注意してください。中堅・地域業者は通常期より割高になるが、大手より予約が取りやすい場合があります。可能であれば月中の平日や、繁忙期前後の時期にずらすと費用を大きく抑えられます。

訪問見積もりとオンライン見積もり、どちらがよい?

荷物量が多い・特殊運搬がある場合は訪問見積もりが正確です。当日の追加料金トラブルを避けるためにも、ファミリー以上は訪問見積もりを選んでください。一方、単身・荷物が少ない場合はオンライン(Web/電話/ビデオ通話)見積もりで十分なことが多く、対面の手間を省けます。大手を中心に、訪問なしでWeb上で申込まで完結できるプランを持つ業者も増えています。

見積もり時に確認すべき項目は?

①基本料金に含まれる作業範囲(梱包・開梱・家具設置)、②段ボール・ガムテープ・養生材の支給数量と超過時単価、③エアコン・洗濯機・特殊運搬のオプション料金、④キャンセル料の発生時期と金額、⑤当日の追加料金が発生する条件(階段作業・距離超過等)、⑥損害補償の上限額と対象範囲。書面で残し、複数社で同じ条件を聞いて比較してください。

値引き交渉のコツは?

①他社の見積もり金額を具体的に提示する(証拠として提示できると交渉力UP)、②引越し日に余裕がある場合は「業者の閑散日に合わせる」と伝える、③午前指定をフリー便に切り替える、④梱包・開梱を自分で行うプランに変更、⑤段ボールを自前で調達する。これらの組み合わせで通常期は10〜20%、繁忙期でも5〜10%の値引きが期待できます。

口コミはどこまで信用してよい?

「当日の作業品質」「破損時の対応」「時間厳守」に触れた具体的な口コミは業者の実力を反映しやすく、参考になります。一方、営業担当個人への好き嫌いや、繁忙期の一時的な遅延への不満は、次の引越しで再現するとは限らないため割り引いて読みます。星の数だけでなく本文の具体性・投稿時期・自分と近い条件(世帯規模・距離)かを確認し、複数のサイトを横断して傾向を掴むのが安全です。

引越安心マークとは?

全日本トラック協会が運用する「引越事業者優良認定制度」の認定マークです。法令遵守・適正な契約手続き・従業員教育などの基準を満たした事業者が認定され、協会のサイトで認定事業者を検索できます。認定がない業者がすべて悪質というわけではありませんが、初めての引越しで判断材料が少ないときの客観的な目安になります。

個人事業主の業者・知人に頼むのは安全?

料金は安価ですが、損害補償・運送中の保険・許認可の有無を確認してください。引越しを業として請け負うには、トラックなら国土交通省の「一般貨物自動車運送事業」の許可、軽トラックなら「貨物軽自動車運送事業」の届出が必要です。どちらも無い相手に有償で運送を頼むと、事故や破損の際に補償を受けられないおそれがあります。知人に頼む場合は荷物の損傷リスクを織り込み、自家用車・レンタカーでの自力引越しと割り切るのが安全です。

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