水道の引越し手続き
水道は引越しのライフラインの中で、比較的手間の少ないジャンルです。多くの自治体では立ち会いが不要で、費用もかからず、申込もWebか電話で数分あれば済みます。一方で、電気・ガスのように全国を1社が担うのではなく、水道事業は市区町村ごと(または広域水道企業団ごと)に分かれている点だけは押さえておく必要があります。
そのため水道の引越しは、旧居の水道を止める「使用停止」と、新居の水道を使い始める「使用開始」を、それぞれの管轄水道局に連絡するのが基本になります。同じ自治体内での引越しなら1回の連絡で両方を済ませられることが多く、別の自治体へ移るなら旧居側と新居側の2局それぞれに連絡します。
このページでは、申込時期の目安、旧居の停止と新居の開始それぞれの手順、申込手段と支払い方法、管轄の調べ方、止水栓の操作、手続きを忘れてしまった場合の対処までを順に整理します。引越しの何日前に何をすればよいかは、次のタイムラインで全体像をつかんでください。
引越し何日前に何をする?水道手続きのタイムライン
まず全体の段取りを時系列で確認します。旧居の停止は少し早め、新居の開始は数日前が目安です。旧居と新居で管轄が違う場合は、両方を同じ時期に進めておくと当日に慌てません。
| 時期 | やること | ポイント |
|---|---|---|
| 1〜2週間前 | 旧居の使用停止を申込 | お客さま番号を検針票で確認。停止日を指定する |
| 3〜4日前 | 新居の使用開始を申込 | 繁忙期・土日は早めに。Web申込は24時間受付 |
| 退去日(当日) | 旧居の蛇口を閉め、精算方法を確認 | 現地精算の自治体では立ち会いが要る場合がある |
| 入居日(当日) | 新居の止水栓を開けて通水を確認 | 水が出ないときはメーターボックス内の元栓を開ける |
上表はあくまで目安です。受付期限や当日開栓の可否は自治体によって異なるため、申込時に管轄の水道局へご確認ください。特に繁忙期の3〜4月は希望日に対応してもらえないこともあるため、日程が決まったら早めに動くのが安全です。
旧居の水道を止める(使用停止)
旧居では、退去に合わせて水道の使用停止(中止・閉栓)を申し込みます。使用停止日までの料金は日割りで精算されるため、実際に住まなくなる日を停止日として指定します。連絡先は「現在の住所を管轄する水道局」です。
| 連絡先 | 現在の住所を管轄する水道局(公式サイトまたは電話) |
|---|---|
| 申込時期 | 引越しの1〜2週間前まで(余裕をもって早めに) |
| 必要な情報 | 契約者名義、お客さま番号(検針票に記載)、使用停止日、引越し先住所 |
| 立ち会い | 多くの自治体では不要(現地精算・オートロック等で要る場合あり) |
| 料金精算 | 前回検針日から使用停止日までの使用量を日割りで精算 |
賃貸の集合住宅では、水道が管理会社を通じた一括管理になっていて、入居者の個別手続きが不要なケースもあります。入居時の案内書類に「水道は管理会社経由」と書かれている場合は、まず管理会社に確認してください。寒冷地では、冬季に退去する際、水道管の凍結を防ぐための水抜き作業を求められることがあります。この場合は水道局から手順の案内があります。
新居の水道を使い始める(使用開始)
新居では、入居に合わせて水道の使用開始(開栓)を申し込みます。連絡先は「引越し先の住所を管轄する水道局」です。多くの物件では、申込を済ませておけば入居日に蛇口をひねるだけで水が使えますが、止水栓が閉まっているときは自分で開ける必要があります(開け方は後述します)。
| 連絡先 | 引越し先の住所を管轄する水道局(公式サイトまたは電話) |
|---|---|
| 申込時期 | 引越しの3〜4日前まで(繁忙期・土日はさらに早めに) |
| 必要な情報 | 契約者名義、引越し先住所(建物名・部屋番号まで)、使用開始日、支払い方法 |
| 立ち会い | 多くの自治体では不要(蛇口をひねって通水を確認) |
集合住宅では、玄関ポストや玄関ドアに「水道使用開始申込書」が投函・設置されていることがあります。この場合は必要事項を記入して郵送・投函する方式です。マンションの受水槽方式では、水道局との契約を管理会社が一括で行っており、入居者の個別手続きが不要なこともあります。物件のタイプがわからないときは管理会社にご確認ください。
水道の申込手段(Web・電話・郵送・LINE)
水道の申込は、電話とWebのどちらでも数分で完了します。近年はWeb申込に対応する自治体が増えており、24時間いつでも受け付けてもらえるのが利点です。一部の自治体ではLINEでの手続きにも対応しています。使える手段は自治体によって異なるため、迷ったら公式サイトで確認するのが確実です。
| 手段 | 特徴 | 向いている人 |
|---|---|---|
| Web申込 | 24時間受付。停止・開始をまとめて申し込める自治体が多い | 日中に電話しにくい人・急ぎでない人 |
| 電話 | 受付時間内なら疑問をその場で確認できる。繁忙期は電話のみの受付になる自治体もある | 当日・直前で急ぐ人、確認しながら進めたい人 |
| 郵送(申込書) | 新居に投函された使用開始申込書を記入して返送。到着までに時間がかかる | 時間に余裕がある人 |
| LINE・専用アプリ | 東京都水道局など一部自治体が対応。使用量確認や支払い設定もアプリで完結 | 対応自治体でスマホ中心に済ませたい人 |
- お客さま番号(旧居の検針票・請求書に記載)
- 契約者名義と、旧居・新居の住所(建物名・部屋番号まで)
- 旧居の使用停止日と、新居の使用開始日
- 支払い方法の情報(口座振替なら金融機関、クレジットカード払いならカード番号)
水道料金の精算と支払い方法
旧居の最終料金は、前回の検針日から使用停止日までの使用量を日割りで計算した金額になります。新居の料金は、開栓日から最初の検針日までを日割りで計算し、以降はおおむね2か月ごとの検針で請求されます。支払い方法は、旧居と新居が同じ水道局かどうかで扱いが変わります。
| 支払い方法 | 内容 | 同一自治体内の引越しでの扱い |
|---|---|---|
| 口座振替 | 指定口座から自動で引き落とし。最終分もそのまま引き落とされる | 同じ水道局なら再登録が不要な場合が多い |
| クレジットカード | 登録したカードから引き落とし。Webで登録・変更できる自治体が多い | 同じ水道局なら継続できることが多い |
| 払込票(納付書) | 新住所へ郵送された払込票をコンビニ・金融機関で支払う | 自治体をまたぐ場合の最終精算で使われることがある |
| 現地精算 | 閉栓時に係員へ最終分をその場で支払う(立ち会いが要る) | 一部自治体・一部物件での運用 |
支払い方法の扱いは自治体によって異なります。別の自治体へ引越す場合は、旧居側で最終精算を行い、新居側で改めて支払い方法を登録するのが基本です。同じ自治体内の引越しでは、口座やカードの情報をそのまま引き継げることが多く、手続きが簡単になります。詳しい支払い方法は、お住まいの自治体の水道局公式サイトでご確認ください。
管轄が同じか違うかで手順が変わる
水道の引越しでいちばん間違えやすいのが「どの水道局に連絡すればよいか」です。電気やガスと違い、水道は自治体ごとに事業者が異なるため、引越し元と引越し先で管轄が変わることがあります。ここは同一自治体内か、別自治体をまたぐかで手順が分かれます。
| ケース | 連絡の仕方 | 支払い方法 |
|---|---|---|
| 同じ自治体内で引越す | 1回の連絡で、旧居の停止と新居の開始をまとめて申し込める場合が多い | 口座振替・カードをそのまま引き継げることが多い |
| 別の自治体へ引越す | 旧居側の水道局に停止、新居側の水道局に開始を、それぞれ連絡する | 旧居で最終精算、新居で改めて支払い方法を登録 |
引越し先の水道料金が、旧居と体系や単価が違って感じられることがあります。これは、水源からの距離・原水の水質・水道の敷設時期などにより、水道事業にかかる経費が事業体ごとに異なるためです。料金がわかりにくいときは、引越し先の水道局公式サイトの料金表でご確認ください。
入居日に水が出ない時の止水栓・元栓の操作
使用開始の申込を済ませていても、入居日に蛇口をひねって水が出ないことがあります。多くの場合、原因はメーターボックス内の止水栓(元栓)が閉まっていることです。次の手順で確認してください。
- メーターボックスを探す。戸建ては敷地内の地面にある「量水器」「止水栓」と書かれた蓋の中、集合住宅は玄関横のパイプスペース(PS)内が一般的です。
- ボックス内の水道メーター横にあるバルブ(元栓)を確認する。バルブ式(ハンドルが円形)は反時計回りに回すと開き、レバー式は配管と平行の向きにすると開きます。
- 蛇口を開けて通水を確認する。開栓しても水が出ない場合や、バルブが固くて回らない場合は、無理に力をかけず、集合住宅は管理会社、戸建ては管轄の水道局へ連絡します。
使用開始の届出がまだの場合は、Web申込から即日処理に対応する自治体が増えています。築古の集合住宅で貯水槽方式の場合は、建物全体への給水を管理会社が止めていることがあり、管理会社への確認が必要です。元栓が固いときはモンキーレンチで無理に回さず、水道局の故障・修理受付に相談してください。
水道の手続きを忘れた場合の影響と対処
引越しのバタバタで水道の手続きを忘れてしまうことは珍しくありません。旧居の停止を忘れた場合と、新居の開始を忘れた場合とで、起きることと対処が異なります。どちらも気づいた時点ですぐに連絡すれば、多くは大きなトラブルにならずに済みます。
| 忘れた手続き | 起きること | 対処 |
|---|---|---|
| 旧居の使用停止 | 契約が続いたままになり、水を使っていなくても基本料金が請求され続ける | 気づいた時点で、旧居を管轄する水道局へすぐ連絡。お客さま番号と退去日を伝える |
| 新居の使用開始 | 入居日に水が使えない(止水栓が閉まっている、または届出が未処理) | Web申込や電話ですぐ手続き。当日でも開栓に対応してもらえる自治体が多い |
旧居の停止を忘れて基本料金が請求されていた場合でも、いつから使っていないかを水道局に伝えれば、退去日にさかのぼって精算してもらえることがあります。まずは慌てず、旧居側の水道局に事情を説明してください。新居で当日に水が必要なときは、Web申込で使用開始を済ませたうえで、上で説明した止水栓の開栓を試すのが早道です。
鍵を受け取った時点で水が出る場合、前住人の名義のまま供給が続いていることがあります。入居後すぐに、新居側の水道局へ「自分の名義に切り替わる時期」を確認しておくと、後の料金トラブルを避けられます。賃貸では、不動産会社が一時的に契約しているケースもあるため、入居案内の書類もあわせて確認してください。
電気・ガス・水道をまとめて手続きするには
引越しでは水道だけでなく、電気とガスの手続きも必要になります。3つを別々の窓口に連絡すると手間がかかるため、まとめて進めたいという方も多いはずです。ここで、それぞれの手続きの性質の違いを整理しておきます。
| ライフライン | 手続きの特徴 |
|---|---|
| 水道 | 住むエリアの水道局(市区町村ごと)へ手続きする。事業者は自分では選べない |
| 電気 | 小売事業者を選んで申し込む。開通は事前の申込で当日から使えることが多い |
| ガス(都市ガス・プロパン) | 開栓には係員の立ち会いが必要。予約が要るため早めに動く |
水道は住むエリアの水道局への手続きが前提で、事業者を選ぶものではありません。当サイトでは水道そのものの取り次ぎは行っていません。一方で、電気とガスの開通(新居側の使用開始)は、事業者選びから開栓予約まで含めて、当サイトの窓口でまとめて取り次げます。窓口別に何度も電話する手間を省きたい方は、下のフォームまたはお電話でご相談ください。なお、旧居の電気・ガスの解約や水道の停止は、現在ご契約中の各事業者・各自治体へ直接ご連絡いただく形になります。
電気・ガスそれぞれの手続きの詳しい手順は、電気の引越し手続きとガスの引越し手続きのガイドで解説しています。水道を含む引越し手続き全体の段取りは引越し手続きの全手順、やることの抜け漏れ防止には引越し手続きチェックリストをあわせてご覧ください。
引越し時の電気・ガス・水道 開通受付
新居の電気・ガス・水道の開通手続きをまとめてご相談いただけます。担当者より折り返しお電話にてご連絡いたします(水道は住むエリアの水道局への手続きをご案内します)。
本フォームの対象範囲は、新居の電気・ガスの開通取次と、水道・インターネットの開始手続きのご案内です。旧居の停止・解約手続きは現在ご契約中の各事業者へ直接ご連絡ください。補助金の申請代行・申請相談は承っておりません。
- 1 ご相談内容
- 2 引越し情報
- 3 ご連絡先
主要都市の水道局連絡先
水道事業は市区町村単位、または広域水道企業団単位で運営されているため、引越し先のエリアごとに連絡先が変わります。下表は主要8都市の代表窓口です。お住まいの市区町村が下記以外なら「お住まいの市区町村名 + 水道局」で検索するか、検針票に記載された連絡先へ直接連絡するのが確実です。受付時間・電話番号は変わることがあるため、連絡前に公式サイトでの確認をおすすめします。
| 水道局 | 電話番号 | 受付時間 |
|---|---|---|
| 東京都水道局 | 0570-091-100 | 月〜土 8:30〜20:00 |
| 大阪市水道局 | 06-6458-1132 | 平日 8:00〜20:00、土 9:00〜17:00 |
| 名古屋市上下水道局 | 052-884-5959 | 月〜金 8:00〜19:00、土 8:00〜17:00 |
| 横浜市水道局 | 045-847-6262 | 月〜土 8:00〜19:00 |
| 福岡市水道局 | 092-532-1010 | 月〜金 8:45〜17:30、土 9:00〜17:00 |
| 札幌市水道局 | 011-211-7770 | 月〜金 8:00〜21:00、土 8:00〜17:15 |
| 神戸市水道局 | 078-797-5555 | 月〜金 9:00〜17:15 |
| 京都市上下水道局 | 075-672-7770 | 月〜土 8:30〜20:00(祝日除く) |
上記以外の市区町村は「お住まいの市区町村名 + 水道局」で検索するか、引越し先の市区町村役場にお問い合わせください。検針票がある場合は、記載された連絡先へ電話するのが確実です。
よくある質問
引越し先で水が出ない場合はどうすればよい?
メーターボックス内の止水栓(元栓)が閉まっている可能性が高いです。バルブ式は反時計回りに回し、レバー式のハンドルは配管と平行の向きに合わせると開きます。開栓しても出ない場合や、使用開始の届出がまだ済んでいない場合は、管轄の水道局へご連絡ください。集合住宅で建物全体に水が来ていないときは管理会社への確認が必要です。
水道の引越し手続きに立ち会いは必要?
使用停止・使用開始とも、多くの自治体では立ち会いは不要です。ただし、オートロックの集合住宅でメーターが建物内にある場合や、現地で最終料金を精算する運用の自治体、寒冷地で退去時に水抜きが必要な場合などは、立ち会いを求められることがあります。物件やお住まいの自治体によって扱いが異なるため、申込時にご確認ください。
水道の連絡先がわからない場合は?
水道は市区町村ごと、または広域水道企業団ごとに管轄が分かれています。「お住まいの市区町村名 + 水道局」で検索するか、旧居の検針票・請求書に記載された連絡先へお問い合わせください。市区町村役場の代表窓口でも案内してもらえます。
水道料金の精算はどうなる?
旧居では、前回の検針日から使用停止日までの使用量を日割りで計算した金額が最終料金として請求されます。口座振替を続けている場合は指定口座から最終分が引き落とされ、そうでない場合は新住所へ払込票が郵送されるか、現地で精算する運用の自治体もあります。支払い方法は自治体によって異なる場合があります。
水道メーターはどこにある?
戸建て住宅は、敷地内の地面にある「量水器」「止水栓」と書かれた金属またはプラスチックの蓋(メーターボックス)の中が一般的です。集合住宅は玄関横のパイプスペース(PS)や共用廊下の点検口内に多くあります。見つからない場合は、管理会社・管理組合・自治体の水道局へお問い合わせください。
水道の使用開始はいつまでに連絡すればいい?
引越し日の3〜4日前までに連絡するのが目安です。土日祝や繁忙期(3〜4月)は受付が混み合うため、早めに動くと安心です。多くの自治体ではWeb申込が24時間受け付けられており、当日でも開栓に対応してもらえる場合があります。
同じ市内での引越しでも手続きは必要?
同じ自治体内での引越しでも、住所変更を伴うため手続きは必要です。ただし管轄の水道局が同一のため、1回の連絡で旧居の停止と新居の開始をまとめて申し込める場合が多く、支払い方法もそのまま引き継げることがあります。別の自治体へ移る場合は、旧居側と新居側それぞれの水道局へ連絡します。
上下水道は別々に契約する必要がある?
多くの地域では上下水道を同じ自治体水道局が一括管理しているため、1回の連絡で両方の手続きが完了します。下水道が未整備で浄化槽を使う戸建てなどでは、下水道料金がかからない代わりに浄化槽の維持管理が必要になる場合があります。
井戸水・受水槽を使う物件で違いはある?
井戸水のみを供給する物件は水道局との契約が不要な場合があります。マンションの受水槽(貯水槽)方式では、水道局との契約を管理会社が一括で行っており、入居者の個別手続きが不要なケースもあります。物件のタイプを管理会社にご確認ください。
引越し後、水道料金が想定より高い・低い場合は?
水道料金は2か月に1回の検針が一般的で、初回請求は引越し日から最初の検針日までの日割りになるため、通常より低くなることがあります。逆に高額な請求が届いた場合は、漏水(蛇口・トイレ・配管の見えない漏れ)や料金体系の違い、前住人の使用分が清算されていないケースなどが考えられます。明細を持って水道局へ内訳をご確認ください。
本ガイドの根拠と最終確認
本ガイドは以下の一次情報を基に編集しています。各URLは記載の日付時点で生存確認済です。水道事業は市区町村が事業者を兼ねる地域・上水道企業団・広域連合など組織形態が地域ごとに異なるため、お住まいの自治体の水道局公式情報を申請前にご確認ください。
- 厚生労働省「水道」(水道法に基づく事業の概要)(2026-05-03確認)— 水道事業の根拠法令
- 各自治体水道局の公式サイト「使用開始・中止」ページ — 引越し時の届出窓口・電話番号・受付時間
- 水道メーター設置状況・口径による基本料金は各事業者の供給規程で確認